犬にしつけはいらない②
わたしがしていた‘しつけ’は全て柴ちゃんの気持ちを無視したものでした。
「嫌だ」
「やめて」
「怖い」
「寂しい」
「優しくして」
問題は犬ではなく人の接し方にありました。
柴ちゃんは、小さい素振りの「やめて」が伝わらないので唸りや噛みといった強い「やめて」になっていったのです。
命令や要求にストレスがかかりまくっていました。しかもストレス解消のはずの散歩も人主導でマーキングや匂い嗅ぎも充分にできず発散できません。
柴ちゃんの嫌がることは何にもしないと決めました。
爪切りなど嫌がるけどやらなければいけないことは動物病院でやってもらう。
触ってほしいとすり寄ってきたときだけ撫でる。
散歩は犬のストレス解消のためのものなので柴ちゃん主導。
ケージや外飼いではなくできるかぎり室内フリーに。
おもちゃにされて困るもの、危険なものはしまう。などなど・・
いわゆる猫下僕(猫が心地よく暮らせるように人側が気を配り、喜びを感じる関係)の犬版。
柴ちゃんの気持ちを汲んでみるとなぜ今まであんなに厳しく過干渉だったのかと泣くほど後悔しました。わたしは「犬のしつけかた」の本より、目の前の自分の犬から学ぶべきでした。
今までのしつけをやめるとだんだん穏やかになり、一緒に暮らすのが楽しくなりました。
私は犬のリーダーになって命令したかったんじゃなくて、楽しく暮らしてる様を仲間としてみていたかったんだということに気が付きました。
散々ひどいことしたのに今では優しい顔で寄り添ってくれる柴ちゃんは、マザー・テレサ並みに心が広いです。
おわり